よくお聞きするお話ですが、「まだ、弁護士に相談するのは早い。自分で交渉してみて決裂してから弁護士に相談しようと思う。」と言う方がいらっしゃいます。これはこれで誤りではないのですが、実は、決裂した段階では既にほぼ勝負がついている場合が少なくありません。
弁護士が依頼を受けて交渉したり裁判をする場合、権利関係を確定するためには「主張」と「証拠」に基づく必要があります。ご自身で交渉する段階であっても同様で、どのような主張をし、どのような証拠(書類など)を提出するかは非常に重要です。交渉の仕方によっては、相手方に有利な証拠作成に協力してしまったり、自己に有利な証拠が散逸している可能性があります。ばっちり証拠を残したと思っても、実際に裁判に提出すると不十分だったということがほとんどです。
私が、依頼者さんに毎回ご説明するのですが、裁判を避けたかったら、なるべく早い段階で(できれば最初から)裁判に勝つ準備をすることです。そうすれば、裁判を避けることができ、しかも、有利に解決できる可能性が高くなってきます。
おそらく、皆様が思われているよりも一段階も二段階も早い段階で弁護士に相談されるのが良いと思います。
例えば、相手方と契約交渉を始めようとする場合、交渉がうまくいかなくなった段階ではなく、交渉を始める前の段階(ビジネスモデルを考える段階)が良いでしょう。あらかじめ法的な問題点や相手方の主張を予想して有利に進めることができます。リスクとコストを検討する時間も確保できます。
例えば、交通事故の被害者となった場合、治療が終了し相手方保険会社から損害金の提示を受けた段階ではなく、事故後、早期の段階での相談をお勧めします。事故状況や問題点を検討し、加害者側の対応を予測して必要な治療を継続したり、必要な立証を確保することが可能となります。
ぜひ、早い段階でご相談にお越しください。